レオパレス施工不良問題 外部調査委員会最終報告

2019/06/07

世界一やさしい不動産投資の木村です。

今日は「レオパレスの施工不良、遠い幕引き」というニュースが上がってきましたので共有したいと思います。

2月から外部の調査委員会を立ち上げて界壁、施工不良の問題の調査を進めてきましたが、次回の株主総会を前に今の経営陣7人退任という形がとられました。

レオパレス施工不良問題って何だったのかということをもう一度振り返ると、約30年余レオパレスの施工に関して、建築基準法上の基準を満たしていない、設計書に載っている内容と同じ施工がされていないという手抜き工事が発覚してきました。

顕在化したのは今年の春あるいは去年の末くらいですが、実際には2012年ぐらいから、レオパレスの各オーナーより依頼があって調査が行われたり、訴訟もあり、内部調査をした結果、事実が明らかになってきました。

問題は大きくは4点

・小屋裏界壁問題
部屋と部屋の間をボードなどで仕切っておかないといけないのですが施工されておらず火災が起こった際に隣の部屋に延焼してしまうのを防ぐためのものがなかったということ。

・界壁発砲ウレタン問題
隣の部屋との仕切りに断熱性の高いグラスウールを使用しているはずのところが実際には発砲ウレタンという素材を使っていた。

・外壁仕様問題
設計書では、外壁は準耐火構造、耐火構造の仕様だが実際に基準に適合しない材料と工法になっていた。

・天井部問題
設計書では2枚張りのところ、実際には1枚張り

こういった問題に対して、まだ調査中の段階ではありますが、今回レオパレスは7人の社内取締役の交代を発表しました。レオパレスは創業者深山さんが30年来、経営権を握ってやってきたので、今回の退任で、経営陣を刷新するということなのでしょうが、実際には創業者の甥にあたる深山英世元社長が非常勤の相談役に残るので影響力を持ったまま経営が進むのではないかと思われます。

施工不良の問題が2月に発覚、調査の結果1300棟、7700人の入居者に対して、レオパレスは転居を要請しましたが、その際の費用については持たないと発表、その後問題が大きく取り上げられ揉めたので、結局レオパレス側が負担することになりました。

では、その後調査が進んでどうなったか・・・4万棟のうちの約半数の2万棟の調査を終えましたが、その中で、もう既に約7割の1万5600棟で不備があったということです。

そこで考えられる問題が2つあります。まだ1万5600棟のうちの800棟しか対応できておらず、転居先が見つからない転居難民が続出していることからも心配されるように、残りの1万4800棟に対応していけるのかということと、レオパレス側が転居費用を負担するにあたり経済的に耐え得るかということ。心配ですね。

(余談ですが、村上ファンドがこのレオパレスを底値でどんどんひらっていってるという話があります。)

経営の立て直しが進んでない状態で、改修工事や調査もまだ半分しか済んでおらず、最終的には3万棟ぐらい問題が起こってくるのではないでしょうか。

レオパレスの仕組みを簡単に説明すると、レオパレスが、地主さんやオーナーさん所有のアパートを建てます。建てるための資金については、オーナーが銀行から融資を受け、毎月銀行に返済していきます。銀行への返済の元になる家賃収入ですが、オーナーさんとしては毎月きちんと入ってこないと銀行への返済に困ってしまうという不安がありますね。

そこでレオパレスは30年のサブリースという形で家賃保証をしています。

保証する家賃は、いわゆる手数料を引いた家賃の80%、85%くらいでしょうか。レオパレス全体の毎月の賃料収入が約360億円、うちオーナーへ支払う額は約7割ほどの230億円です。

レオパレスの立場で考えてみるとオーナーへの支払いが成り立つ損益分岐点は、レオパレス物件に入居している人の入居率が80%です。そこを切ってしまうとレオパレスが持ち出しになってしまいます。

入居率については、今回を振り返ると繁忙期である2月に施工不良の問題が取り沙汰され、7000人もの人に転居依頼をしましたし、元々法人契約の多いレオパレスとしては風評被害もあって社宅契約も激減したのでしょう。数字にも表れていて、入居率が去年は94%、今年1月で85%、5月は82.5%、ギリギリの80%割りこむところまで来ています。

レオパレスが入居率の80%、損益分岐点を切ってしまうと、結果的にオーナーに対して家賃が払えなくなる

オーナーにサブリース契約の値段交渉が入る(家賃保証5万円だったものを4万円になど)

交渉に応じないと契約断ち切り、ということになってしまいます。

オーナーは家賃保証の5万円を元に銀行への返済をしていますから、減額保証となると返済が債務不履行となってしまい破綻してしまいます。

その流れで最近、収益物件サイトにレオパレスの物件と思われるものを見かけます。おそらく売れないでしょうね、みなさんレオパレスを警戒していますから。

ですから、雪だるま式に坂を下り、レオパレス物件の入居率が下がる

サブリースの会社が回らなくなって保証家賃を減額

オーナーが回らなくなって破綻

銀行破綻

銀行融資が厳しくなる。

ということになります。

ちなみにアパートオーナーの負債が2兆円と言われています。例えば2兆円のうちの1割の2000億円が飛んだとしても、銀行に対するインパクトは非常に大きいのでまだまだ見放せない状態ですね。

我々、不動産投資家としてはこういう問題を見ながら、今後銀行の融資状況はどうなっていくのかを静観しています。

何より向こうからやってくる危うきものには近寄らないことです。レオパレスは「アパート作りましょう」「家賃30年保証します」と言いつつ、ロクな物件を作っていなかったわけですから、レオパレスの言うがまま乗っていては、それは大変なことになります。

だいぶ昔の話ですが、私の友達に、レオパレスに住んでいる若い子がいたんですが、上下の音が響いてうるさい、冬はすごく寒いので早く引っ越したいと言っていました。まあそれを振り返ると、やはりこういう施工不良の問題が内在していたのかなと思われます。

今日はレオパレスの問題についてお話しましたが、他にもこういった施工不良の問題は各社抱えています。次回また掘り下げて話をしたいと思います。

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